経営
2004-05シーズンの途中、ドルトムントは債務超過で破綻寸前まで追い込まれました。負債は1億2000万ユーロと伝えられています。いまのスタジアムの光景からは想像しにくい話ですが、20年前の話です。
2000年、ドイツのクラブとして初めて株式を上場しました。調達した資金で大物選手を獲得し、2001-02にリーグ優勝を果たします。ところが成績と収入が期待どおりに伸びず、人件費だけが残りました。スタジアムはファンドに売却して賃借する形になっており、その支払いも重くのしかかります。
2003-04にゴールキーパーのイェンス・レーマンをアーセナルへ売却したあたりから、経営が火の車であることが表に出ます。会長のゲルト・ニーバウムと現場最高責任者が去りました。
残った人たちが再建にあたりました。選手時代からクラブにいたミヒャエル・ツォルクと、2005年にCEOに就任したハンス=ヨアヒム・ヴァツケです。2006年にはスタジアムの命名権を売却し、金融機関との交渉を重ねて財務を組み直しました。
そのうえで選んだのが、外から高い選手を買うのではなく、下部組織と若い選手に賭ける方針です。2008年に引退したラース・リッケンが育成部門に入り、同じ年にユルゲン・クロップが監督に就任しました。
2010-11に9シーズンぶりのリーグ優勝。2011年11月の報告では、収入が1億100万ユーロから1億5000万ユーロへ増え、利益はクラブ史上最高の950万ユーロ。負債も5600万ユーロまで減りました。
この経験が、いまの「育てて売る」モデルの背骨になっています。伸びた選手を手放すことに批判はありますが、一度潰れかけたクラブがそれを選び続けている理由は、この時期にあります。
再建を主導したヴァツケは2025年で退任することが2024年1月に発表されました。移籍で入ってくる金額がどこへ使われているかは歴代移籍金ランキングで、いまの補強の中身は移籍データベースで追いかけています。
金額は当時の報道値です。クラブの決算資料と一致しない場合があります。
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